ウクライナの状況 現地クリスチャンからの報告戦時下の教会偽りではなく真理を告げ知らせること

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 ベラルーシ宣教師のスベトラナさんから新たな情報が以下の通り届きました。

■ 未来と希望を語る<BUT(しかし)>という言葉 
 ウクライナでは今週もいろいろな事があり、状況は常に変化しています。
 この戦争では<BUT(しかし)>という言葉が私たちの記憶に残っています。ゼレンスキー大統領をはじめ政治家や一般の人々もこの言葉を使っています。
 例えば、「ウクライナは苦境に立たされている。<しかし>ロシアの占領者にとってはさらに悪い状況だ。敵は砲撃してくる。<しかし>私たちを止めることはできない。敵は私たちの美しい都市を破壊している。<しかし>私たちはそれを再建する。侵略者はより多くの兵士を持っている。<しかし>私たちは国のために戦う。そして必ず勝つ。そのためにまだ戦わなければならない。私たちの家は弾丸にやられた。ひどい事だ。<しかし>私たちは生きている。そして私たちは敵を追い出すのだ」というように。
 この<しかし>という言葉はウクライナ語でもチェコ語でも同じように聞こえるため、特に大統領はいつも強調して発音しています。未来を語り、希望を与え、展望や将来計画を提示するのが<BUT(しかし)>なのです。■とどめられているロシア軍の侵攻
 西側の情報機関はウクライナ人が数日前から言っていることを追認しています。ロシアの侵攻は全戦線で止まりロシアは大きな損失を被っています。ウクライナの抵抗勢力は安定しておりよく整えられています。占領軍はキエフや他の主要都市を攻撃(征服)することができていません。占領軍はウクライナの南東部へと徐々に撤退しているようで、主にマリウポリ港(長い包囲と砲撃にもかかわらず未だに占領できていません)と他のいくつかの都市に集中しています。他の領土でもロシア軍は自軍に大きな損失をこうむりながらも局所的な戦闘を行えているだけです。
 ウクライナの都市を最も苦しめているのはミサイルによる長距離砲撃(特にベラルーシやクリミア領からの)と空爆です。都市を占領することはできないのでできるだけ分割しようとしているのです。
マリウポリでは損壊していない建物は一つもなく、街の80〜90%が完全に破壊されています。この侵攻以前の統計でマリウポリは最も親ロシア的な都市で、事実ロシア語を話す人しかいないという不条理が存在しています。これは「ロシア語圏の住民を保護しファシストから解放する」というプーチンの主張とは相反した行動です。

■戦意を失うロシア兵の実態
 ロシア軍の戦意喪失は続いています。ロシア兵たちが家に電話するのをウクライナ人が盗聴して明らかになりました。ロシア兵たちは死傷者のこと(「80人のうち20人が残った」など)、飢えのこと、略奪のこと、将校が自分たちを気にかけてくれないことなどです。
 また、戦わなくてすむように病院に行くため互いに足を撃ち合うこと、捕まるための計画について話すこと、多くのロシア兵は脱走しようとしたことがあるのです。ただロシア軍には既に軍の隊列の最後尾に乗り込んで脱走兵を射殺する部隊が怒れています(電話でもこの話をしています)。負傷した兵士は治療後には戦闘に復帰しなければなりません。従って捕虜として身を委ねることが彼らの生き残るための最善の方法なのです。
 彼らは記者会見で、ウクライナ人が母国と違って自分たちを治療し食べ物を与えよくしてくれたことに感謝しているのです。
 オデッサでは海兵隊が反乱を起こしました。600人のロシア兵士が確実に死ぬと分かっていたので下船を拒否したと捕虜の一人が証言しています。ケルソン地区でも同様で、上陸後80人の海兵隊員が戦闘に参加することを拒んでいます。マリウポリでは、ウクライナ軍はロシア兵の中隊をまるごと捕虜にしました。
 また、占領軍が装備を放棄するケースも増えている。戦闘車両や銃を野ざらしにしたままそのまま逃げてしまうのです。
 春の雪解けとともにロシアの機材が泥に埋もれて動けなくなるケースも増えています。プーチンは自軍の損失をシリアからの最大4万人の志願兵で補うつもりです。ウクライナ情報局によると、シリアの志願兵は脱走してEUに行くつもりらしいのです。


■教会やキリスト教徒の被害
 ゼレンスキー大統領は既に2度負傷者を見舞っています。最初の訪問ではウクライナ兵に勲章を贈り、2度目は自分の体で弟をかばいながら負傷した少女を見舞いました。敵が自分を殺そうとしている時に、これは彼女の英雄的な行動であると少女の勇気を称賛したのです。
 占領軍は石造りや木造の正教会や修道院、ギリシャ正教会、プロテスタントの祈りの家など、多くの宗教施設、多くの貴重な歴史的モニュメントを破壊し、マリウポリのモスクも砲撃しました。これらの建物は人々の避難所となっていることが多く、しばしば砲撃の犠牲になっています。マリウポリでは食料を配達中に爆撃を受け5人のキリスト教徒が死亡、2人が捕虜となりました。教会員たちはこのような奉仕が致命的に危険であることを認識していますが、教会は危機の時に支援する義務があると確信しているのです。
 ドネツク州では軍付きの正教会司祭が殺害されました。スミ州レベデインではバプテスト派教会の教会員家族が射殺されました。 ベルディアンスクではウクライナ正教会の司祭が拘束され拉致されて行方不明です。ウクライナ正教会のスポークスマン、エヴストラティ・ゾーリャ大司教がこれを確認しました。
 またラジオ・リバティのインタビューでは、ウクライナ人司祭への迫害の他の事例や、ロシア軍によるウクライナの教会への攻撃による被害について語られていました。
 占領軍は教会の中やすぐ近くに射撃場を設置しました。このことは教会や宗教に対する彼らの絶対的な不道徳さ、無節操さ、無関心さを物語っています。ところがその指導者プーチンは正教会の保護をウクライナ侵攻の動機の一つにしているのです。いま彼の軍隊は何の感情もなく何のあわれみもなく教会を破壊し軽蔑していることが分かります。ロシアの “解放者” が教会を襲撃し捜索しているのです。彼らは牧師たちが人々の前で自分たちの権威を認め、ウクライナの町をロシア領だと宣言することを脅迫によって要求しているのです。
 メリトポルでは、ロシア兵から殺害や報復を受けると脅された牧師が町から連れ出されました。


■教会の働き−ウクライナの牧師からの報告

 ミンスク新生会のビアチャスラウ・ハンチャレンコ牧師はこう語っています。「戦争は多くの問題をもたらしました。だから私の友人たちの説教壇はいま街の通りにあります。彼らは福音を説き祈り困っている人たちを助けているのです。死者を埋葬し親族をサポートしているのです。病院にいる傷病者を見舞い、軍隊のチャプレンとして活動しています。飢えている人たちに食事を与え水や食料を提供しています。難民がより安全な場所に移動するのを助けています。戦争という現実が全ての計画をくるわせました。いま彼らは多くの人々と共に家の地下、教会、防空壕に入り、泣く者と共に泣き、喜ぶ者と共に喜んでいます。」
 ウクライナでは、国民や軍人を励ますために感動的な言葉や聖書の一節を記した看板が既に100枚以上設置されています。第2次世界大戦後大量に使用されてきた冒涜的な言葉を精神的に勇気づけられる名言に置き換えるのが目的です。クリスチャンはウクライナ人に対して、聖霊が悲しむような下品な言葉を使わず、聖書の一節や祈りと悔い改めを促す言葉を広めるよう呼びかけています。
 他国に逃れたウクライナ難民の間で聖書の必要が急速に高まっています。世界福音主義キリスト者協会のノルウェー支部であるギデオンは、難民のニーズに応えるため神の言葉の配布を早めることを約束しました。ポーランド、ハンガリー、スロバキア、モルドバの国境で15万5千冊の新約聖書を配布する予定です。


■ウクライナ難民を助けるために
 ウクライナ人難民を実際に助けるにはどうしたらいいのでしょうか? 私たちは神のために生きている時のみ本当に平和の中で生きていけるのです。わたしたちは救援活動とともに彼らに神さまを伝えていかなければいけません。
 以上がプラハ在住のスベトラナさんからの報告です。

■この戦争で教会はいかにあるべきか
 また、ウクライナの教会連合のある牧師は以下のように語っています。
「教会は真理の柱であり土台であるべきです。何が罪で何が罪でないか、何が正義で何が不義か、何が悪で何が善か、はっきりと妥協することなく話さなければなりません。
 主にロシアの教会の牧師たちが偽りの霊的な叫びとして平和と普遍的な愛を求めると語るのを私たちは聞いています。そしてさらに進めてウクライナの教会に悔い改めて謙虚にその運命を受け入れるよう促す牧師たちさえいます。このような発言がいかに不道徳であるかについては言うまでもありません。私たちの国を攻撃し街を破壊し子どもたちを殺し私たちの国と民族を思い出させるものを全て抹殺しようとし、一方で神話上のナチスから私たちの国を解放すると偽善的に主張したのはロシア軍だったことを思い出さずにはいられません。
 箴言17章15節「悪者を正しいと認め、正しい者を悪いとする、この二つを、主は忌みきらう」。教会は “黒” を “黒” と呼び、”白” を “白” と呼ぶ義務があります。ですから私たちは全てのものを正しく呼びたいのです。


1、ロシア連邦はウクライナで不当、残酷、犯罪的な戦争を行っています。

2、沈黙を守りこれらの行為を正当化する者は全てこの犯罪の共犯者です。

3、ウクライナはその自由、主権、国民の生活と未来を守るということ。ウクライナがプーチンの侵略者に対して行っている戦争は防衛的であり正義です。

4、このような状況下で、教会は真理のために声を上げ全てのものを正しい名で呼び神の正しいさばきを宣言しなければならなりません(詩篇149篇5〜9節)私たちは全ての同胞に愛を呼びかけます。ただし人を欺くことなく人のために真の善を求める真理の愛を、すなわち嘘の解体と識別を、真理の認識を、そして悔い改めを呼びかけています。


 ぜひ侵略者の敗北とウクライナの平和の確立のために祈ってください。私たちはウクライナの人々がこの試練からきよめられ、神からの運命を果たすために新たに生まれ変わること、そしてウクライナの勝利が多くの国々に自由と精神の目覚めへの希望を与えることを信じます。」