東西分裂のリビア 首相が2人の異常事態

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 東西分裂の内戦状態に陥ったリビアで2月10日、2人の首相が併存する異常事態になった。
 国連が仲介する和平プロセスで選ばれた西部トリポリで執務するダバイダ首相と、東部の武装勢力に支えられた代表会議がバシャガ元内相を新首相に一方的に選出した。
 国連の報道担当者は10日の会見で、依然として首相はダバイバ氏だとの認識を示したが、バシャガ氏は首都に入り記者会見を行い、自身が正統的な首相であることを強調し、混乱が深まっている。
 地元メディアによると同日ダバイダ氏の乗った車が何者かに銃撃されたが、本人は無事だった。治安当局は暗殺未遂と見ている。
 ダバイバ氏は昨年3月、東西勢力停戦合意に基づき発足した暫定統一政府の首相に就任。12月下旬の大統領選にも出馬したが、選挙は延期された。
 暫定統一政府と対立する東部の代表会議はダバイダ氏の任期は切れたと主張し、退陣を求めている。